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ミャンマー訪問記

2013年8月28日 水曜日

今月、ミャンマーに訪問する機会を得た。ミャンマーといえば、アジア最後のフロンティアと呼ばれ、日本企業が進出先として注目する新興国のうちの一つである。一体どのような国なのか?訪問前の私はとてもワクワクしていた。せっかくなので出来るだけ現地の生活水準、インフラ整備状況等を把握し、実際のところ日本企業が進出可能な状態の国なのかをこの目で確かめたいと思った。

 

◎インフラ整備状況

タイのバンコクより夜間のフライトでミャンマー最大の都市であるヤンゴンを目指した。着陸間近になった時、私は飛行機の窓からヤンゴンの市内を覗いて見た。そこでまず一つの驚きがあった。街の明かりが少ないのである。バンコクの夜景も先進国のそれと比較するとやや暗いように感じたが、ミャンマーの場合、最も発達しているはずのヤンゴンでさえポツポツとしか明かりが見えない。その国の経済発展度合は、細かい経済指標など見なくても、大都市の夜景を見ればあらかた分かってしまうものなのかもしれないなと感じた。実際にヤンゴン降り立ってみて、夜の繁華街を歩いてみると・・・

繁華街の夜

こんな感じで、街頭があまりついていない。よくミャンマーは電力不足で、民生用に回す電力が限られると言われるが、それを身をもって実感した瞬間だった。ちなみに昼間は・・・

繁華街の昼

こんな感じである。中古の日本車が数多く走っており大通りは渋滞が発生することも珍しくない。一方で建物は大半が植民地時代(ミャンマーは1948年にイギリスより独立)のものだと聞いていたが、随分年季の入ったものばかりである。(下の写真は、ミャンマー人の住む住宅の外観)

住居

現地に十数年滞在している日本人に会う機会があり、現在何社程度の日本企業が駐在員を派遣しているのか聞いてみたところ、約100社程度だという。駐在員は通常各社とも1名のみで派遣されることが普通らしく、このような環境の中で家族と離れて生活をしていく駐在員の精神的負担は相当なものだと思われる。事実、この環境で生きていくことに嫌気がさしてしまい会社を辞めて行方不明になってしまった日本企業の駐在員も実際にいたらしい。

 

◎工業団地への日本企業の進出状況

さて、私は複数の日本企業が工場を運営しているミンガラドン工業団地に向かった。ミンガラドン工業団地とは、同国で初めての国際水準の工業団地として三井物産とミャンマー建設省住宅局とが共同で開発した工業団地である。ホームページを見ると、全ての区画が「販売済み」か「予約済み」となっている。(同工業団地のホームページ:http://mingaladon.com/japanese/land_use_plan_lease_terms.htm)しかしながら、実際に団地の中に入ってみると、はっきり言って空地だらけである。区画を購入もしくは購入予約をした多くの企業は、実際にはまだ工場の建設に着手していないのである。場所だけ確保しておいて、工場進出はもう少し様子を見てからということなのであろうか?

 

◎タイ企業の存在

ミャンマーの一人当たりGDPは、約800米ドルである。一般に、この値が3,000米ドルを超えると、家電や自動車等の耐久消費財の消費量が本格化すると言われている。経済成長のペースが今のまま推移すると仮定すると、一人当たりGDPが3,000米ドルに到達するには、あと20年から30年はかかる計算である。当然のことながら、現時点では日本の家電など高すぎて普及するはずもない。と思っていたら、ホテルに備え付けてあったポットのメーカーに見覚えのある名前が・・・

ポット

「MATSUSHITA」?なんとパナソニックのポットかと思いきや、タイの「MISUSHITA」というメーカーのポットであった。頑張っている日本企業の姿を一瞬見た気がしたのだが、残念ながらそれは錯覚であった。

ミャンマーへ進出している外資企業で最も目立つのはタイ企業、その次が中国企業ではないだろうか。実際スーパーの店頭で食料品等のパッケージを見ていても、タイ語の表記が目立つ。残念ながら日本のブランドを見かけることは少ない。

 

◎日本企業にとっての選択肢

日本人が住み慣れた祖国を離れ、一定期間駐在し、事業を立ち上げる先としては、ミャンマーはまだ、インフラや住環境の整備が不十分であると私は感じた。一方で、中進国であるタイの企業は、地の利を生かしてどんどん進出を進めている。このままではタイやその他の国の企業に負けてしまう可能性が高い。ひとつの選択肢として、タイ企業との協業による進出という方法が考えられるだろう。実際にそのような検討を行っている日系企業も存在する。どのような方法をとるにせよ、近い将来、もう一度ミャンマーを訪れたとき、日本の企業の存在感が大きくアップしていることを期待する限りである。